耳を澄まし肌で感じながら

10月ソーシャルワーク基礎研修を受講された方より感想をお寄せいただきました。感謝してご紹介させていただきます。

 

*****

 

講義で印象に残っているのは、「何もできていないことはない」、「居るだけでよいこともある」という言葉です。

SSWは、チーム学校の一員となっており、教師の困りごとの軽減や解決を図りたい、学校から評価されなければといった気持ちを少なからず持っています。

 

しかし、SSWはクライエントに寄り添ったもっと自由度の高い活動をしてもよいと感じました。教育現場で1人職場となることが多いですが、専門職としてもっと教師や各機関と対等に福祉の目線で伝えていけば良いのだとエンパワメントしていただきました。福祉の仕事はすぐに成果や変化があらわれないけれど、耳を澄まし肌で感じながら「いつも見守っているよ」と言う姿勢を保ち続けたいです。

 

*****

 

 「子どものため」と高らかに謳うほど、子どもの声ここにあらずな場面が多く、結局は、都合よく「子どものため」と利用しているのではないか?自己中心的な現状に、疑心暗鬼になっていました。

今回、山下先生から「分からない事は子どもに聞く」と、先ずは子どものリアルな声を聴く事が根底にあることを直接伺い、確認ができ、安心しました。同時に、子どものリアルな声を聴くということは、時として私自身がしなやかに、そして強く、謙虚さを持っていなければ、リアルな声は聴けない場面を多く思い出し、省みる事も多い研修でした。

 

「子どものため」である前に、私自身を振り返り立ち止まる機会は大切ですね。人工音がしない静寂な自然の中で、丁寧な暮らしに触れて、お食事を頂き、日常の役割(育児・家庭・仕事)の鎧を置いて、素直に皆さまとの交流から学ぶ3日間は、他では経験できない研修でした。研修中に、改めて自覚をしましたが、とても心身疲れていた日常でした。再び、日常の役割を担う生活に戻りますが、リアルな声を聴く事を心にとめ、公私ともに地域の中で出来ることを取り組んでいきたいと思います。