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8月9日という日

代表 山下のFBよりシェアさせていただきます。
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8月9日は、僕にとっては誕生日と同じくらい意味を持つ日だ。この日に運命づけられた胎内被爆児としてのスティグマは、青年期以降僕の活動の原点になってきた。
20代の頃は、写真を通して戦争と被爆問題について考えようとしていた。26歳の時(1972年)にはサイパン島とテニアン島を訪れ写真を撮り、それをまとめたものを銀座ニコンサロンで写真展を開催した。
その時に会場に展示した文章が、ここにアップしたものだ。妙に硬くて未熟な文章だが、僕の視点は今も変わっていない。自国の加害者性をやっきになって覆い隠そうとする政府や一部の(と思いたい)人たちの尊大さが、やけに目につく昨今の状況にあっては、書いた内容の意味は今なお希薄さを失ってはいないと思っている。
「あの過ちを二度と繰り返さない」ということばは、この時期の枕詞と化して、過ちを繰り返す方向に舵をきって邁進している観がある今日では、本当に軽くなってしまっている。
僕たちは、ヒロシマやナガサキ、そして8.15をこの時期限定のイベントにすることなく、慰安婦問題や沖縄のことなど、戦争の被害的側面と同時に加害的側面とを日常的に語り合う機会を持つようにすることが重要なのだと思う。
過ぎたことだから忘れてもいい、経験していないことだから関係ないで済ませられないことがあるのだと、約50年前の自分の思いを読んで改めて強く思っている次第だ。